遺言執行者を選任しておくべきか否か

遺言執行者を選任するメリット

遺言執行者とは、遺言の内容にそった手続きをする人のことをいいます。財産目録の作成から始まり、預貯金の解約手続きや不動産の名義変更手続きなど、遺言の内容を実現するために必要な一切の行為をする権限を持ちます。

遺言執行者が定められていない遺言ももちろん有効であり、その場合には、相続人全員で協力して遺言の内容を実現していくことになります。

とはいえ、相続人が複数いる場合や相続人同士の関係が良好とはいえない場合には、作成する書類の収集や署名押印手続きなど全員の関与が必要となる為に、時間や労力もかかり、何かと頻雑になりがちです。

遺言執行者の指定があれば執行者が相続人の代表者として一人で手続きを進められるので手間が省けますし、時間の短縮にもなります。

その他遺言を残される方にとっても、「遺言をちゃんと発見してくれるのか」「遺言通りに相続人がちゃんと手続きをしてくれるのか」「相続人同士で揉めごとにならないだろうか」などの不安を払拭することもできます。

その点でも、遺言執行者を選任するメリットはあるといえるでしょう。
遺言執行者を選任するにあたって相続人の内の誰かを選任することも可能です。

相続人の中で適当な方がおられない場合や、ちゃんと執行できるか不安であれば、専門家に依頼することもできます。専門家に依頼する際には、遺言書を作成する際にあわせて相談するもの良いでしょう。

遺言執行者の権限

・遺言執行者の任務開始

(民法第1007条)

1 遺言執行者が就職を承諾したときは、直ちにその任務を行わなければならない。

2 遺言執行者は、その任務を開始したときは、遅滞なく、遺言の内容を相続人に通知しなければならない。

2018年の民法改正により、第2項が新設されました。今までは、遺言書の内容がある特定の相続人にとって不利益な内容だった場合でも、その相続人に遺言執行者になったことや遺言書の内容を伝えないまま手続き等が行われ、後にトラブルとなっているケースがあったことなどを踏まえ、明文化されることになりました。

・遺言執行者の立場

民法第1015条

遺言執行者がその権限内において遺言執行者であることを示してした行為は、相続人に対して直接にその効力を生ずる。

遺言執行者の任務は、相続人の代理人ではなく、遺言者の意思を実現するためにあるとされ、相続人の利益を害する遺言であっても遺言を実現することができると判断されています。

・遺言執行者の権利義務

民法第1012条

1 遺言執行者は、遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する。

2 遺言執行者がある場合には、遺贈の履行は、遺言執行者のみが行うことができる。

遺言執行者は、遺言の内容を実現するための強い権限を持っております。遺言執行者がある場合には、相続人は勝手に不動産を処分したり、遺言の執行を妨げる行為をすることはできません。

相続人が勝手にした処分行為は絶対的に無効であるとされていますが、処分の相手方が善意の第三者である場合には対抗問題となるので、注意も必要です。

遺言書の作成や遺言執行者の選任の有無についてお困りの方はお悩みの方は、当事務所にご相談ください。

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