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成年年齢引下げによる帰化要件の影響
民法改正による帰化要件の影響
民法改正により、2022年4月1日から成年年齢が20歳から18歳と引き下げられることとなります。
これにより、帰化をすることができる要件も一部変更されることとなります。
普通帰化の要件
普通帰化の要件には、以下のような7つの要件があります。
- 住居要件
- 能力要件
- 素行要件
- 生計要件
- 喪失要件
- 思想要件
- 日本語能力要件
この中で2の能力要件について、来年施行予定の民法改正による影響が出てきます。
現行、能力要件とは「年齢が20歳以上であり、本国法によって行為能力を有している」とされていますが、成年年齢が20歳から18歳に引下げされることにより、「年齢が18歳以上であり、本国法によって行為能力を有している」という点に変更されます。
これにより、帰化申請できる対象の方や選択肢も増えてくるでしょう。
帰化申請などについて、ご相談・お困りごとあれば、当事務所にご相談ください。
初回相談・費用見積は無料です。
帰化申請に必要な書類とは
帰化許可申請に必要となる書類
帰化許可申請に必要な書類で決まっているものもあります。
法務省のページには主な必要書類として以下のようなものが記載されています。
参考リンク: http://www.moj.go.jp/MINJI/minji78.html#a11
1 | 帰化許可申請書(申請者の写真が必要となります。) |
2 | 親族の概要を記載した書類 |
3 | 帰化の動機書 |
4 | 履歴書 |
5 | 生計の概要を記載した書類 |
6 | 事業の概要を記載した書類 |
7 | 住民票の写し |
8 | 国籍を証明する書類 |
9 | 親族関係を証明する書類 |
10 | 納税を証明する書類 |
11 | 収入を証明する書類 |
上記のように「5 生計の概要を記載した書類」や「10 納税を証明する書類」と記載されていても、一体どこで何を集めてきたらよいのか、はっきりと分かる方は少ないと思います。
実際の許可申請の手続きでは、お客さま個々の職業・家族関係・国籍・資産状況などによって必要書類は大きく異なってきます。
よって、この書類だけを集めておけば大丈夫と断言することはできません。いずれにしても帰化申請の必要書類は膨大で全てお客さまご自身で集めることは非常に大変です。
以下に帰化許可申請でお客さまがよく言われる一般的な書類をどこから取得するかを記載していますが、これだけでもご自身で集める大変さが分かるかもしれません。
当事務所では必要書類について代理で取得できるものについては、こちらで取得させて頂くことも可能ですので、お気軽にご相談ください。
■市役所・区役所などで取得する書類
⑨住民税の納税証明書(同居の家族分も)(直近1年分)
⑩住民税の課税証明書(同居の家族分も)(直近1年分)
⑪非課税証明書(本人、配偶者が非課税の場合)
⑫住民票(本人、同居者の家族分も)
⑬日本の戸籍謄本、除籍謄本(配偶者・子が日本人の場合や両親の一方が日本人の場合など)
⑭出生届の記載事項証明書(本人、兄弟姉妹が日本で生まれている場合)
⑮婚姻届の記載事項証明書(外国籍同士の両親が日本で結婚している場合)
⑯離婚届の記載事項証明書(本人が外国籍の方と日本で離婚したことがある場合や外国籍同士の両親が日本で離婚したことがある場合)
⑰裁判離婚の場合は審判書または判決書の謄本(確定証明書付)
⑱死亡届の記載事項証明書(両親・配偶者・子が日本で死亡している場合)
■法務局で取得する書類
⑲土地・建物の登記事項証明書(本人、同居の家族が不動産を所有している場合)
⑳法人の登記事項証明書(会社経営者の場合)
■税務署・県税事務所・市税事務所などで取得する書類
個人で確定申告をしている方や個人事業主(同居の家族が個人事業主の場合も含む)
㉑個人の所得税の納税証明書(その1、その2)(直近3年分)
㉒所得税納税証明書(その1、その2)(直近3年分)
㉓消費税納税証明書(直近3年分)
㉔事業税納税証明書(直近3年分)
会社経営者(代表取締役以外で役員に入っている場合や同居の家族が会社経営者の場合も含む)
㉕法人税納税証明書(その1、その2)(直近3年分)
㉖消費税納税証明書(直近3年分)
㉗事業税納税証明書(直近3年分)
㉘法人 県・市・民税納税証明書(直近1年分)
■年金事務所等などで取得する書類
㉙年金保険料領収書1年分のコピー(ねんきん定期便でも可能)
㉚国民年金保険料納付確認書(ねんきん定期便や領収書紛失の場合9
㉛厚生年金保険料領収書のコピー
㉜社会保険料納入確認書(領収書紛失の場合)
㉝厚生年金加入届の控えのコピー
■勤務先で取得する書類
㉞源泉徴収票(原本)(直近1年分)
㉟在勤及び給与証明書(申請月の前月分)
■自動車安全運転センターで取得する書類
㊱運転記録証明書(過去5年分)
㊲運転免許経歴証明書(失効・取り消された場合)
■その他必要な書類
㊳証明写真(5cm×5cm、2枚)
㊴スナップ写真(両親や兄弟姉妹、友人と写っているもの、3枚程度)
㊵在留カードのコピー(表・裏)
㊶運転免許証のコピー
㊷パスポートのコピー(表紙、顔写真のページ、ハンコがあるページ全部)
㊸最終学歴の卒業証書のコピー
㊹卒業証明書(卒業証書がない場合、出身校から取得)
㊺医師、歯科医師、薬剤師、看護師、教員、美容師、建築士、調理師などの資格証明書のコピー(公的資格を持っている場合)
㊻賃貸借契約書の全部のコピー(賃貸物件に住んでいる場合)
㊼確定申告書の控えのコピー
㊽営業許可証のコピー
㊾法人の確定申告書控えのコピー(直近1年分)
㊿修正申告書の控えのコピー(過去3期の中で修正申告をしたことがある場合)
■本国から取得する書類
韓国籍の方は、「韓国総領事館」で取得できます。全ての書類には日本語翻訳と翻訳者の記名・押印が必要です。
51 基本証明書(本人)
52 家族関係証明書(本人・父・母)
53 婚姻関係証明書(本人・父・母)
54 入養関係証明書(本人)
55 親養子入養関係証明書(本人)
56 除籍謄本(本人)
中国籍の方は「公証処」で取得します。日本の公証役場にあたる機関です。全ての書類には日本語翻訳と翻訳者の記名・押印が必要です。
57 出生公証書(本人が日本生まれの場合は出ません。その場合、日本の役所で出生届の記載事項証明書を取得します)
58 親族関係公証書(本人が日本生まれの場合は出ません。その場合、華僑総会で取得します)
59 結婚公証書(本人や両親が結婚している場合)
60 離婚公証書(本人や両親が離婚している場合)
61 養子公証書(養子縁組している場合)
62 死亡公証書(親や子が死亡している場合)
63 国籍証書(中国大使館で取得)
その他の各国については、国毎に具体的な証明書は異なります。
帰化を検討している方へ
帰化とは
「帰化」とは他国の国籍を取得することです。帰化申請手続きとはある国の国籍を持っていない外国人の方が、国籍の取得を申請することにより、申請した先の国籍を認めるためのものです。したがって、その申請手続きの過程には、帰化によって国籍を失う国と国籍を取得する2つの国の法律問題を含め対応していくことも必要です。
その過程を切りぬけてようやく帰化許可となります。現状、日本における帰化希望者の国籍は、韓国、中国、台湾の方たちが大半を占めており、帰化を検討する動機としては結婚が多く、就職や進学も主な理由となっています。
帰化申請の手続き
帰化申請は入国管理局ではなく管轄の法務局に提出します。
帰化申請には大きく普通帰化、簡易(特別)帰化の2種類があります。
-
普通帰化
普通帰化の対象となる方は一般的な外国人です。一般的な外国人というのは、外国で生まれ、留学生として日本に来て、卒業後に日本でそのまま就職している独身の外国人などを指します。ほかにも外国人同士で結婚している夫婦も当てはまるでしょう。
日本生まれの在日韓国人や朝鮮人(特別永住者)は除きます。
もっと分かりやすく言うと特別永住者の方と日本人と結婚している外国人を除く外国人は普通帰化申請要件の対象です。
普通帰化には、以下のような7つの要件があります。例えば、居住要件として引続き5年以上日本に住所を有すること、能力要件として20歳以上で本国法によって能力を有すること、素行要件が善良であること、生計要件として自己または生計を一にする配偶者その他の親族の資産または技能によって生計を営むことができること、喪失要件として国籍を有せず、または日本の国籍の取得によって元の国の国籍を失うべきこと、思想が善良なこと、日本語の読み書きができることなどが挙げられます。
- 住居要件
- 能力要件
- 素行要件
- 生計要件
- 喪失要件
- 思想要件
- 日本語能力要件
- 簡易帰化(特別帰化)
簡易帰化(特別帰化)は、在日韓国人・朝鮮人(特別永住者)の方や、日本人と結婚している外国人が当てはまります。「簡易」や「特別」という名称が使用されていますが、これは帰化の要件のハードルが下がっているということで、書類上の手続きは普通帰化と差はありません。
例えば、簡易帰化では以下のような9つのケースが当てはまり、普通帰化では申請できない20歳未満の者も個々の環境が考慮され申請が可能となったり、日本国民の養子で引続き1年以上日本に住んでいて縁組のときに本国で未成年であった人や日本国民の配偶者である外国人で引続き3年以上日本に住所があり、現在日本に住んでいる人などは簡易帰化を適用することで能力要件が緩和され帰化申請が可能となったりします。
- 日本国民であった者の子(養子を除く)で、引き続き3年以上日本に住所・居所を有する人
- 日本で生まれた者で引き続き3年以上日本に住所・居所を有し、またはその父か母(養父母を除く)が日本で生まれた人
- 引き続き10年以上日本に居所を有する人
- 日本国民の配偶者たる外国人で引き続き3年以上日本に住所・居所を有し、かつ、現に日本で住所を有する人
- 日本国民の配偶者たる外国人で婚姻の日から3年を経過し、かつ、引き続き1年以上日本に住所を有する人
- 日本国民の子(養子を除く)で日本に住所を有する人
- 日本国民の養子で、引き続き1年以上日本に住所を有し、かつ、縁組時に未成年であった人
- 日本の国籍を失った人(日本に帰化した後日本の国籍を失った人を除く)で日本に住所を有する人
- 日本で生まれ、かつ、出生時から国籍を有しない人で、引き続き3年以上日本に住所を有する
帰化申請の手続きは上記のような要件を満たしていない限り、許可が下りることはありません。また要件を満たしていてもそれを証明する書類が必要となり、その量も膨大なものとなってきます。
要件に該当していることは勿論のこと、それを証明する書類集めが帰化許可申請の成功に大きく影響してきます。
帰化申請について検討されている方はお気軽に当事務所にご相談ください。
帰化をする意味とは?
帰化とは
「帰化」とはある国の国籍を持っていない外国人の方が、国籍の取得を申請することにより、申請した先の国籍を認めることです。よって、日本に帰化を申請し、認められるとその方の国籍は日本になります。帰化をするということは、大変な決断を伴うものです。
- 結婚する前に日本国籍を取得しておきたい
- 日本人として仕事を続けていきたい
- 子供が生まれたので、今後の学校生活も考えて、日本国籍を取得したい
- 公務員になりたい
以上の他にも、帰化をしたい・する理由は色々あるでしょう。帰化申請が認められると、当然のことですが日本人として生活ができます。日本という国が好きで、日本でずっと住んでいきたい方には帰化はもちろん良い制度です。ただし、帰化を申請したからといって、誰にでも認められるものでもありません。法律で、帰化が認められる要件や提出する書類も定められていますので、注意が必要です。
※帰化申請の要件については、下記リンクをご参照ください。
帰化が認められると
帰化が認められると国籍は「日本」になります。日本人になったのですから、当然に日本人であれば意識せずに「当然」と思っているようなことが認められたり、できるようになったりします。以下、帰化が認められた場合にできることを記載しておきます。
- パスポートの発行が日本となり、海外でも日本人として扱われる。また、海外から帰国する際にも再入国の手続きなどは不要となる。
- 参政権が与えられる
- 新たに日本人として戸籍が作れられる
- 公務員職に応募することができる
- 日本人として年金や教育などの社会保障を受けることができる
- ローンの手続きなどが受けられやすくなる
- 日本人と結婚する場合の手続きが日本人同士で結婚する場合と同様の手続きで進めることができる
帰化について悩んでいたり、検討されている方がおられれば、お気軽にご相談ください。
初回相談・費用見積は無料です。