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会社の目的とは
株式会社や合同会社、一般社団法人、NPO法人を始め各種法人を設立するとき、定款で会社の目的を定めなければならないとされています。
定款で定めた会社の目的は登記事項となりますので、法人設立後には登記簿にも記載されます。
会社の目的には、その会社がどのような事業を行うのかを記載するものですが、特段具体性は問われませんので、制約が非常に厳しいというものわけではありません。
ただし、一般的なルールはもちろん存在しますので、以下のような点に注意する必要はあります。
会社の目的を決める際の一般的なルール
- 具体性
会社の目的をどの程度具体的に定めるかは、会社が自ら判断すべき事項であり、登記官による審査の対象とはなりません。
よって、個別具体的な事業を記載した上で、最後に「その他一切の事業」とすることも可能です。
- 明確性
会社の目的の明確性といっても、法令に用いられている語句は、一般に明確性があるものと考えられています。
目的の記載中に特殊な専門用語、外来語、新しい業種を示す語句などを使用しようとするときは、通常の国語辞典や広辞苑などに当該語句の説明があるかなどを参考にして判断されることになります。
- 適法性
法や公序良俗に反する事業を目的とすることはできません。よって勿論「賭博場の運営」などは会社の目的として使用できません。
その他、弁護士、司法書士などの資格者に限り行うことができる事業については、資格者以外の者が目的とすることはできません。
- 営利性
株式会社は、株主に利益配当請求権または残余財産分配請求権が認められていることから、利益については株主(構成員)に分配するものとされています。よって利益を取得する可能性のない公益性の強い事業は、会社の目的として適格性を欠くものとされています。ただし、当該事業によって利益が得る可能性があれば、公益性の認められる事業であっても、法律で禁止されていない限りは会社の目的として使用できます。
- その他
●100%子会社を設立する際には、親会社と子会社の事業目的が同一である必要はありませんが、子会社を保有することが親会社の目的の範囲内にあることが必要です。
●会社が他の株式会社の発起人となる際には、発起人となる発起行為が明らかに会社の目的の範囲外のものと認められない限りは、登記申請は受理されます。
●会社の目的の数としては、特に決められていませんが、余りに多い数であったりするとどの事業に重きを置いているのか、また本当は何をやりたい会社なのかが見えづらくなり、銀行で融資を受ける際などには、イメージを損なう恐れもあります。
その他特に注意する点
不動産業、飲食店、建設業、産業廃棄物、貨物運送業などを目的として会社を設立しようとしていたり、将来的にこのような事業を展開する予定であるときには、事業内容によっては国や自治体の許可や認可が必要なケースがあります。
そのような場合には、定款の目的として各種許可や認可を受けようとする事業内容に沿った一定の記載事項が必要とされることが多いですので、許認可の必要な事業を設立当初から行うことを考えているようでしたら会社設立後に目的変更(追加)をすることがないように、検討しておく必要があります。
設立後に目的変更することも可能ですが、その際には別途登録免許税(3万円)などがかかりますので、ご注意ください。
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