飲食店を相続するには
親や夫が経営していた飲食店を、家族が引き継いで営業を続けようと思ったときに、どういう手続きをすれば良いのでしょうか。
亡くなられた方が個人で事業を行っていた場合には、その事業も預貯金や不動産と同様に相続の対象となります。飲食店には営業許可が必要となりますので、この場合の相続とは「営業許可の相続」を指します。これは「地位承継」と呼ばれ、地位承継できるのは法定相続人となるために、原則亡くなられた経営者の配偶者や子などが対象となります。
よって、従業員などが事業を引継ごうをする際には、新たに営業許可の取り直しが必要となってきますので、ご注意ください。
仮に、飲食店の負債も大きく、資産の額と照らし合わせても、営業を続けるのが難しいと判断したときには、「相続放棄」も検討した方が良いかもしれません。
では実際に飲食店を家族が引き継ごう、と決めた際には以下のような手順を踏んでいきます。
- 飲食店を相続する人の決定
相続人が2名以上おり、遺言で特段の定めがない場合には、相続人全員参加による遺産分割協議で飲食店の営業許可を相続する人を決めます。
遺産分割協議で行いますので、相続人全員の同意を得る必要があります。
- 書類の提出
許可営業者について、相続があり、地位の承継を行う場合は役所に書類を提出しなければなりません。
<提出書類>
●許可営業者の地位の承継届
●戸籍謄本(被相続人と相続人全員の関係がわかるもの)
●相続人が2人以上ある場合においては、その全員の同意により許可営業者の地位を承継すべき相続人として選定されたものにあっては、その全員の同意書
※ケース毎に異なりますので、事前に保健所に確認しておきましょう。
書類の提出をすると、承認・不承認の通知を受けることとなり、通知を受ける日までは経営者が死亡していても営業を続けることができますが、提出期限がある場合もありますので、早目の手続きをすることが望ましいです。
- 承認・不承認の通知後
承認を受けた相続人は、亡くなられた経営者の営業許可証の書き換え手続きをする必要があります。万一、不承認だった場合には、営業許可証を返納することとなります。
家業を継ぎたい場合、相続した方が良いかお悩みの場合など、お困りのことがあれば当事務所にご相談ください。
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