遺産分割協議は相続人全員の同意が必要
相続手続きを進めていくにあたって、相続財産について話し合いをすることを「遺産分割協議」と言います。
遺産分割協議をする際には、
- 相続人全員の参加
- 相続人全員の合意
は必須要件です。
相続の内の一人の連絡先が分からないという理由で、その方を除いた遺産分割協議は有効とはなりません。
それでは、相続人の中で連絡先や行方が分からない方はいる場合には、どのように進めていけば良いでしょうか。
結論としては、その相続人の行方(住所)を調査し、連絡をとれるように事を進めていかなければなりません。
相続人調査の方法
①相続人の戸籍謄本の取得
相続人の住所が分からないケースでは、通常戸籍から追っていくこととなるでしょう。
一般的に他人の戸籍謄本を取得することはできませんが、遺産相続の為で正当な事由があれば、親族の戸籍謄本を取得することは可能です。
戸籍謄本を取得することで、行方が分からない相続人の本籍地を調査することができます。
②戸籍の附票の取得
戸籍謄本を取得し、本籍地が分かれば、次にその本籍地がある役所に「戸籍の附票」を請求します。
戸籍の附票には、その方の住所が記載されています。戸籍謄本には、本籍地等の記載があるだけで、住所は記載されていません。
戸籍の附票を取得することで、初めてその方の住所が分かる、という事です。
③住所が分かれば、手紙を出す等連絡をとれるようにする
その方の住所が近くであれば、直接訪問することも可能かもしれませんが、長年連絡をとっていなかったり、顔も知らないこともあります。
突然訪問することにより、心証を害することもあり得ます。被相続人が亡くなった旨、その方が相続人にあたる旨、遺産相続の手続きで協力が必要な旨などを記載した手紙を送り、相手からの連絡を待つのも一つでしょう。
他にもアプローチの方法はあるかもしれませんが、親族同士で、今後話し合いを進めていく関係にあることから、順序立てて進めていくことが望ましいと思います。